自閉症と向き合う家族の会

ホーム

ABA博士と一緒に学ぶ自閉症とその療法

dr.aba

さまざまな質問

head
ABA博士
「ここでは自閉症の子供を育てていく上で親が持つ、さまざまな疑問にお答えしていきましょう。

 

質問1
「ABAを始めてから問題行動がひどくなりました。
うちの子には合わないのでしょうか?
その時点でABAをやめた方がいいのでしょうか?」

head
ABA博士

答え「ABAを始めたとたん問題行動がひどくなるというのはよくあることです。
と、言うのも、前まで泣いたり叫んだりすることでコミュニケーションをとっていたものが、
認めてもらえなくなったわけですから、一層問題行動を起こすことで、うったえようとしているのです。ここでぐっとこらえて、適切なコミュニケーションの方法を教えてあげましょう。
子供が泣いているからとか怒っているからと、途中であきらめて子供のニーズに応えてしまうと、子供はやっぱり泣くことや怒ることが正しいコミュニケーションだと覚えてしまいます。
この時期を乗り越えることで、子供は大きく成長するでしょう。」

 

質問2
「叱責はしてもいいのでしょうか?」

head
ABA博士

答え「まず行動の種類をきちんと知ることが大切です。その問題行動が注目の獲得のためである場合は叱責することで、叱られているというよりも注目を浴びることができたという風に受け止める可能性があるので、行動がひどくなることがあります。また行動の種類が刺激である場合、その行動を脳が必要としているわけですから、叱責でやめさせることはできません。獲得や逃避の場合、叱責は効果があるかも知れませんが、むやみに叱るよりもまず子供の分かる言葉で説明してあげることが大切です。」<行動の種類>

 

質問3
「体罰はしてもいいのでしょうか?」

head
ABA博士

答え「理由が何であれ、体罰は絶対によくありません。その理由は以下にあります。
1.体罰は体だけでなく心にも傷を負わせるものです。
2.痛みで覚えさせるわけですから効果がすぐみられます。そのため親は楽な方法として頻繁に使い始め、体罰を与えることに慣れてしまうという現象がよくみられます。
3.体罰は恐怖を植えつけるだけで、適切な方法を教えるものではありません。大切なのは、問題行動をどのようにして、適切な行動に変えていくかです。
4.教育者である大人が体罰を行っているわけですから、子供も体罰(暴力)を使うことに違和感を感じなくなります。
体罰を使わないということは忍耐と、知恵を必要とします。しかし、そこから生み出されるのは子供の大きな成長と言えるでしょう。」

 

質問4
「子供がアニメのキャラクターを異常に嫌い、泣き叫びます。それを克服させるために見せ続けるべきでしょうか?」

head
ABA博士

答え「大切なのは、その子供にとって、そのキャラクターに慣れることが生活していく上で重要かどうかということです。例えばどのような音楽でも聞こえると泣き始めると言うようですと、生活に支障をきたすため克服する練習は重要かも知れませんが、一年に一度しか見ないナマハゲを泣くからと克服する練習は重要ではないと思います。人には嫌いなものや怖いものが一つや二つはあるものです。その理解もしっかりと示してあげましょう。もし、克服すべきものがあるというようでしたら、まずは子供が耐えれるレベル(音量を小さくしたり、似たものをみせたり、少ない数からスタートする)から始めるのがいいでしょう。」

 

質問5
「子供がずっと手を振り続けてやめません。手をポケットに入れさせたりしてとめるのですが、この方法は合っているのでしょうか?」

head
ABA博士

答え「行動の種類を知った上で、なぜ手を振り続けているのかを把握してみましょう。大切なのは手を振る行動を補っている新しい行動が子供のニーズを満たしているかどうかです。手をポケットに入れることでニーズを満たすようなら手を振るのをやめるでしょうし、ただポケットに入れることで無理やり手を振らせないようにしているようなら、子供はまた手を振り続けるでしょう。」<行動の種類>

 

質問6
「食事のときにじっと座って食べることができず、食べ終わるのにかなり時間がかかってしまいます。どのようにしたらいいのでしょうか?」

head
ABA博士

答え「最初は1分でも座って食べることができたらご褒美をあげましょう。それを繰り返すことで、座って食べることがいいことと学びます。それから徐々に時間を長くしていくことで、食事中座って食べることを学べるでしょう。」

 

質問7
「トイレトレーニングがまだできません。どのようにしていけばいいのでしょうか?」

head
ABA博士

答え「さまざまな方法がありますが、ここではその中のひとつを紹介しましょう。まずトイレトレーニングするのに適齢か確認しましょう。もし適齢だと言うようでしたら、トイレに座らせて、お菓子をあげたり本を読んであげたりとリラックスできる環境を作ってあげましょう。おしっこしなさいとかうんちしなさいと急かさず、まず安心させてあげてあげないと、緊張した状況では用を足すのは困難です。時間がかかるかも知れませんが、トイレでおしっこやうんちをしたときには、特別なご褒美をプレゼントしてあげましょう。おしっこの場合、おしっこした30分後にまたトイレに連れて行ってあげて同じことをしましょう。またトイレにいないときはおむつでなく、パンツをはかせましょう。つねに乾いたパンツを履かせることで、乾いたパンツの方が履き心地がいいと覚えさせるのが大切です。」

 

質問8
「同じ年の子供が近くにいても一緒に遊んでくれません。遊ぶように言うのですが、嫌がります。
どうすればほかの子供と遊ぶのでしょうか?」

head
ABA博士

答え「無理やり遊ばせようとしても子供は嫌がるでしょう。遊ぶという行動は強制でなく、自発的でないとだめだということです。まず、自分の子供が何をして普段遊んでいるかを知り、そこに自分も参加して一人より一緒に遊ぶほうがおもしろいということを知ってもらい、快適に遊んでいるときに短時間、ほかの子供を参加させるところから始めてはどうでしょうか。子供が楽しいと感じたとき、自発的にほかの子供と遊び始めるでしょう。」

 

質問9
「高いところに登るのが好きで、いつ怪我をするか心配です。どうすればいいですか?」

head
ABA博士

答え「ルールを作り、どこなら登ってもいいかを決めることがいいでしょう。ただ登るのがだめだで終わらせてしまっても子供の心は満たされません。登ってもいいところで登ったときに褒めてあげて、登ってはいけないところで登ったときには褒めないといった区別をしてあげることで、子供も正しい行動を学ぶでしょう。」

 

質問10
「次の行動に移るときにいつもかんしゃくをおこします。
何かいい方法はないでしょうか。?」

head
ABA博士

答え「様々な方法がありますが、例えば予定表を前もって作ってみせてあげることで、次に何をするべきかを知り、スムーズに行くこともありますし、タイマーをセットして、音がなったときに○○をしますと教えてあげるのもいいでしょう。どの方法を使うにも大切なのは、かんしゃくを起こさず次の行動に移ったとき、ご褒美を与えてあげることです。」

 

質問11
「言ったことをそのまままねる、おうむ返しが目立ちます。
どのようにしてやめさせることができるでしょうか?」

head
ABA博士

答え「イントラバーバルと言って、質問と答えの練習をすることが大事だと思います。例えば「お名前は?」という質問に「健太」という答えなら、「お名前は?」と尋ねた直後、おうむ返しされる前に「健太」とつけたして言ってあげましょう。その後子供が「健太」と答えたらご褒美を与えるといった形で、繰り返し練習します。徐々に「健太」と言う声を小さくしていきながら、子供に自発的に答えさせます。この方法で様々な質問を練習することで、おうむ返しは減っていくでしょう。」

 

質問12
「他人に対しての暴力が日々ひどくなって困っています。
どうしたらいいでしょうか?」

head
ABA博士

答え「暴力が日々ひどくなっているということは、今の時点では子供が暴力を振るうことで、自分のニーズが満たされ、それが子供の解決法となってしまっていることを意味します。ここでもまた暴力の原因となるのが何なのかを知ることがもっとも重要です。その行動の種類を分析した上で、暴力以外で子供が解決できる方法を教えていくことが大切です。」<行動の種類>

 

質問13
「6歳になるのに、まだ赤ん坊のおもちゃで遊んだりテレビ番組を観たがったりします。
どのようにしてやめさせることができますか?」

head
ABA博士

答え「人の好みを変えることはできませんし、やめさせることもできませんので、たとえおもちゃを捨てたり、テレビを消したりしても、怒らせるだけで解決にはなりません。今遊んでいるおもちゃ以外に適齢のおもちゃを与えてあげたり、観ているテレビ番組以外の番組を見せてあげて、楽しそうにしているときに思いっきり褒めてあげることで、適齢のものに興味を示し始めるかもしれません。そのとき、もし赤ん坊のおもちゃやテレビ番組に興味を持たなくなっていれば、そこで処分してはいかがでしょうか。」

 

質問14
「偏食がひどくて、食べてほしいものを食べてくれません。
健康バランスが心配ですが、どのようにすればいいですか?」

head
ABA博士

答え「例えば、にんじんが嫌いで唐揚げが好きだと言うようでしたら、まず米粒程度のにんじんを目の前に置き、これを食べたら唐揚げをあげるよと教えてあげましょう。それを何度も続け、徐々に子供に気づかれない程度ににんじんのサイズを大きくしていきましょう。この方法で様々な種類を練習することで、月日を要するでしょうが、少しずつでも食べ始めるでしょう。ただ、健康バランスがうまく取れない場合は、医師に相談して栄養を十分とれるようにしなくてはなりません。」

 

質問15
「うちの子供は言葉を話さず何がほしいのか分からず泣いてばかりいます。
どのようにして言葉を教えればいいのでしょうか?」

head
ABA博士

答え「言葉をうまく話せない子供にはPECSをお勧めいたします。PECSを使って、お互いのコミュニケーションの橋を作りましょう。なお、PECSを使いながら発音の練習をして、少しでも成長が見えたとき、褒めてあげることが重要です。」<PECS>

ブログにて、その他様々な質問にお答えいたしております。
是非そちらもお立ち寄りください。ブログ

ホーム

Copyright (c) 2010 http://autismfamily.web.fc2.com All rights reserved.

 
inserted by FC2 system